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Osimレースに見え隠れする日本の汚点

 インターナショナルフットボールのスケジュールとJリーグの開催時期における差異。この視点でOsimレースを指摘する見解は、驚く程、少ない。JFA(主に川淵会長)への批判やOsim待望論で持ち切りだ。多くの日本人は、本当に日本のフットボールを愛して、日本のフットボールを良くしたいと思っているのか、と疑ってしまうほどに。
 おそらく、娯楽として見ている者がほとんどだろう。Osim。待ってました。名将だって。4年後楽しみだね。
 Ivica Osimが非常に優れたコーチであることに疑いの余地はない。その手腕はヨーロッパ中に知れ渡っている。老いたとはいえ、そんな人物が日本代表を率いてくれることに、日本代表を応援する者全てが期待の眼差しを向けるだろう。
 
 ただし、Osimが日本代表監督に就任する時、千葉のファンが悲しみ、JFAが取った手法への批判が強まるだろう。いや、悲しむべきであり、強まるべきである。千葉との契約期間内にあった監督を日本フットボールを導く組織であるはずのJFAが強奪したのだから、日本のフットボールファンは怒るべきである。
 それでも、日本人の気質からして、JFAハウスに火が投げられることはないだろう。名将が日本を再建。良かった。結局は、こんな乾いた見解が支配するのであろう。千葉を愛する人たちがJFAに火を投げない限り、これは覆らない。何らかの抗議行動すら起こらない時、「やっぱり千葉ってファンが少ないのね」と陰口を叩かれても仕方ない。
 
 さて、冒頭のスケジュールの話である。
 Jリーグは日本の春に開幕する。つまり、ヨーロッパと異なるスケジュールの下でフットボールがプレイされており、今回のように、ワールドカップ直後の代表監督人事に頭を悩ませなければならない。また、優秀選手のヨーロッパ挑戦においても同様の悩みを抱える。Osimレースは、Jリーグのスケジュール改善に向けての議論を加速させる良い機会であるのに、今のところ、その兆しすら見えてこない。
 
 冬は寒いでしょ。札幌出身の私が誕生月の2月にEnglandへ渡った時、生まれてから最悪の身体の凍えに遭遇した。しかし、フットボール場にはフットボールがあった。JリーグクラブがPremiershipのクラブのようにスタジアムを保有することは困難だが、代替案を探る動きは賑わいを見せない。Jリーグが生まれてから十数年。サポーターと名乗る人たちの多くは、ゲーム中に展開とは関係ない応援歌を歌うだけ。であるから、2002年ワールドカップを開催する際に多くの無駄に巨大な陸上競技場が造られたことに対して強い批判は行なわれず、数少ない真のファンたちが行なっている現状への改善要求の声も決して大きくはならない(京都ファンのフットボール的な働きかけも自治体には通らないようだ)。
 
 Osimは日本代表の監督に就任するようだ。悪くはならないだろう。しかし、絶対に火は投げられないとタカをくくっているJFAが心の底から反省することも、千葉のファンたちが報いられることも、おそらく、無い。
 日本のフットボールは、2006年7月に汚点を残してリスタートし、環境やシステムについて改善する機会をまたも無駄にして、歩いていくのだろう。
 
 Text by Hideki Nishikawa. July 3, 2006.
 
 ※このニュースについて、Football nagに別記事が更新されています。

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