Pre-season match 川崎 v 大宮 「06シーズンモードの披露」 Highlight
新潟とのオープニングマッチを一週間後に控えた川崎は、等々力に大宮を迎え入れ、雨中のプレシーズンマッチを戦った。
キャンプで取り組んできた06シーズンを戦い抜くフットボール。それは、「途中からしっかりと守備網を作って機能し始めた」。
バックラインは昨年より採用している「1枚余る」メソッドをベースとし、両サイドMFが敵フォワードラインの人数に合わせてポジションを変える。そして、新たに追加されたメソッドが「前線守備」である。
これは、昨年、4バックを執るチームへの対策として採用していた方法を洗練させたものだ。2トップがミドルゾーンの左右のスペースを注視し、マルクスがセンターに陣取ることで5-2-3の基本的布陣を形成し、バイタルエリアにコンパクトな領域を作りながら適切にリトリート。敵に停滞したポゼッションを与え、ボールを奪い、得意の速いカウンターか、効果的ビルドアップに持ち込むことが狙いだ。
20分過ぎから感触を掴み始めた川崎は、22分に長橋、24分に森がクロスからCKを取得。28分にはジュニーニョが25メートルシュートを放ち、ゲームを支配したが、41分にボックス内へ侵入した我那覇がパスを選択したように、決定打を放つことは出来なかった。
三浦監督はハーフタイムに富田を投入し、トニーニョをアンカーへ移す。これが見事に的中した。51分、川崎は右サイドを押し込まれ、たまらずリトリート。バイタルエリア前でボールホルダーとなったトニーニョは、約30メートルの位置からノンプレッシャーで強烈な右足を振り抜き、相澤の手をかすめてゴールを奪った。
失点の予兆はあった。21分に、同様の地点に侵入したボールホルダーに対し、ふたりのセントラルMFは距離を詰めず、マルクスが「いけ、いけ!」とジェスチャーを交えてコーチングするシーンが脳裏に浮かぶ。バックラインとの距離感を気にする余り、アプローチにためらいが生まれる。張り巡らせた守備網をどちらかが破り、ボールの元へ急行しなければならなかった。
堅守の大宮相手にビハインド―。その進行は全J1チームが怖れるもの。川崎は急に焦り始めた。各ボールホルダーのドリブルする時間が増え、博打的フィードや強引なセンターアタックが摘み取られていく。左右に揺さ振る。ワンタッチプレイを連鎖させる。イーヴンなスコアだった20分からの30分間で通用していたアタックは、全て封じられた。
打開を迫られた関塚監督は、「ビハインドのオプション」を行使した。バックラインのコントロールを箕輪と伊藤に託し、寺田をアンカーへ移すことで、ふたりのセントラルMFのオリジナルポジションが前進。米山と森をSBへ配し、ゼッケン9番に相応しくない働きだった我那覇を黒津と交替させ、谷口と茂原を入れ換えた。
大宮は混乱し、桜井と森田が2バックを数的同数で襲う、70分のビッグチャンスを森田が逃したことで、単に人数をかけて守る、一方的劣勢を強いられることに。川崎は、米山が確かな技術でボールを落ち着かせ、右サイドにハブを設置。黒津と茂原も持ち味を活かしてリズムを生み出し、猛攻の持続に貢献した。
ようやく、88分に同点ゴールが記録される。米山のアーリークロスからのルーズボールをマルクスが巧みに合わせて、荒谷の頭上をあざ笑うループシュートを決めた。1-1。最終スコアが刻まれた。
大宮との一戦は、川崎にとって意味のある一戦となった。
新たなメソッドが機能し、森が攻守に貢献したことで、マルコンのスペアが定まった。そして、ビハインドから追い付く引分は、川崎を認め警戒するチームから、ゴールを奪う能力を示したことを意味する。この90分間で露呈した課題の解消に努め、いよいよ06シーズンの開幕を迎える。
Text by H.Nishikawa.(Sunday, 26 February, 2006, 22:00)
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※参考:J's GOAL

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