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05-06 Players tracks 「11.マルクス」

 足の裏を使って、ボールを止める。素早く前方を見やり、正確なパスを蹴る。あるいは、ボールを軽くまたぎ、ふとした間を作ってから展開する。ひとつのキックや動作にさり気無く遊び心を混ぜ、05年の等々力を唸らせた。16ゴールを記録したジュニーニョとコンビを組み、敵バックラインを崩していった。
 マルクスは04シーズンに川崎へ入団し、J1昇格に貢献。昨年は自身の目標であり、夢でもあったトップディヴィジョンでの戦いに挑み、3つの顔を披露した。アタックを創るプレイメイカー、抜群の精度を誇るプレイスキッカー、得点力を備えるトップ下―。関塚監督が重視するセットプレイやカウンターの原動力となった。とりわけ、後期の活躍振りは誰の目にも明らかなもの。7ゴールを記録したことはもちろん、プレイスキックの場面で尽く決定機を演出。ゲームをコントロールし、右足一本でチームを勝利に導いていった。
 
 好調の要因は麻生にあった。
 5月上旬に左第5中足骨骨折を負い、すぐにブラジルへ帰国。治療を終え来日し、復帰のために懸命にトレーニングを消化していった。戦列に戻ると、居残り練習を厭わず、徹底的に身体を追い込んだ。ある日は砂場で走り込み、ある日は直接フリーキックを蹴り込む。その姿に触発されるように、フッキとアラゴネイがペアを組んでダッシュを始めたり、中村が勝負を挑むようにしてゴールマウスを揺らしたりした。自分を高めるための努力は、ゲームでの高いパフォーマンスだけではなく、おのずと周囲にも良い影響を与えた。つまり、チームが6連勝を飾った理由のひとつに、マルクスの「sacrificio(一生懸命さ)」が存在していた。
 
 フットボールを勉行する。そんな表現がマルクスには似合う。努力し、勤め励むことによって最高の結果を求めることが、彼の流儀である。しっかりトレーニングを積むことで自信を掴み、勝利のために90分間をプレイする。プロフットボーラーという職業をそんなふうに考えている。
 初めてのJ1で、アシスト王の座と9つのゴールを手に入れた。J屈指のブラジル人選手として、2度目のJ1を見据えている。
 
 ※この記事は2月18日付けの「Jornalista」で配信されたものです。
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 Text by H.Nishikawa.(Sunday, 19 February, 2006, 7:20)

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