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06シーズンの戦い

 川崎はオフシーズンで余剰戦力の整備と補強に努め、26日にプレシーズンに入った。二度のキャンプとトレーニングマッチで準備を整え、オープニングゲームとなる3月5日の対新潟戦で06シーズンをスタートさせる。
 20日に行なわれた「2006年新体制発表会」にて、今シーズンの目標が宣言された。ベスト4。クラブ創設10周年目で、高峰を登るつもりのようだ。
 ただし、資金力が乏しい川崎にとって、今年は難しい一年だ。昨シーズンのように2度の長期的インターバルが無く、ワールドカップを挟んだふたつのパートの中で、ゲームが連続していく。氷上での転倒が致命的減点となるフィギュアスケートのように、失敗を取り戻すことが出来ない。残留争いでの総合力ではハイレベルに違いないが、それも強豪にかなうレベルではない。
 「(昨シーズンは)リーグ戦8位、ナビスコもベスト8、天皇杯もベスト8ということなので、今シーズンはベスト4を目指したい」とした武田社長の空疎な計画は、浦和、横浜、磐田、鹿島といった優勝候補によって阻まれるだろう。
 
 多くの識者や福家強化本部長が指摘する通り、「(J1昇格)2年目というのは非常に大変な年」だ。「デリケートな年」と置き換えることもできる。
 敵からストロングポイントを研究され、チーム内には「去年やったことをやれば良い」との惰性へ誘う悪魔が住み始める。また、すでに一部の選手から優勝宣言があったように、増加する虚言を信じ、それがシーズン中に挫かれるダメージすら懸念しなければならない。それが「建前」に過ぎないのであれば、上位争いを演じることすら不可能である。
 
 本質は、関塚監督が指摘した「アウグストの左サイドが抜けた穴をどう埋めながら戦いを展開していくか」とのテーマをクリアし、残留内定となる37ポイントをなるべく早く積み上げ、登山を続けることにある。やはり、資金力の無い実力派チームには、J1定着を土台に賞金圏内進出を目論みながら、全力でカップトロフィーを狙う道が歩きやすい。
 タイトルを掴むなら、アウェイゴールシステムが採用されるナビスコカップが有力になる。ファイナルラウンドでは、敵地でカウンターに徹して1ゴールを記録することも、勝率の高い等々力で勝つことも想定内となる。つまり、川崎は180分間を制すための戦い方を備えている。J1ばかりに発言を集約させるのではなく、優勝する可能性が最も高い大会に目を向けなければならない。
 
 やがて、光が向かうレンズの先に像が浮かぶ。それは、ナビスコカップを掲げ、さわやかにほほ笑む伊藤宏樹の姿なのだろうか。
 J1復帰2年目で、屈折した焦点と真相が激突する。
 
 Text by H.Nishikawa.(Tuesday, 27 January, 2006, 6:50)

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