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05-06 Players tracks 「9.我那覇和樹」

 06シーズンにおいて、我那覇は6ゴールを記録した。高い人気に応える成績ではない。エースナンバーには相応しくない数である。ただし、その大半で印象的フィニッシュを決め、観衆の心を掴んでいった。
 9月の対大宮戦。敵バックラインに生まれた微瑕を逃さず、ギャップを裂いて中村のフィードを巧みにコントロールし、ファーサイドへボールを流し込んだ。
 日本平での対清水戦。ビルドアップの際に機会を窺がい続け、アウグストの鋭いクロスに勢い良く飛び込み、説得力のあるゴールを決めた。
 3月の対浦和戦。左右に揺さ振るアタックのクライマックスは、我那覇による反転シュート。ボックス内で泥臭さを発揮し、満員の等々力に歓喜をもたらした。
 そして、重傷からの復活も感動を誘う出来事だった。
 4月の対名古屋戦で左脛骨陥没骨折を負い、長期間の休養を余儀なくされた。夏のにおいが漂い始める頃、麻生で楽しそうにボールを蹴り始め、やがて、黒津に明け渡していたレギュラーポジションを取り返した。
 
 しかし、アタックの中心はジュニーニョやマルクス。我那覇は、ポストプレイやフリーランニングによって貢献を果たす脇役だった。
 人は言う。ガナはポストプレイが巧い、と。敵マーカーの圧力を軽減させるようにキープするが、ボールタッチ数が多く、称賛されるレベルではない。
 関塚監督による指導の甲斐もあって、シーズンを深めた分だけ、ランニングに知力が備わってきた。パスコースを作り、キープ力を活かして起点となった。だが、それだけで主役にはなれなかった。
 ノーゴールで終わるゲームを重ねても、選手層の薄さによってスターターの地位を守ることができた。やさしいファンは声援を送り、ブーイングを浴びせなかった。手強い競争相手、刺激、発奮材料。「ブレイク」に必要な環境は与えられなかった。05シーズンの川崎のゼッケン9番がたった6ゴールに終わったことは、自然な結末なのかもしれない。
 
 フロントはオフシーズンでライバルを獲得しなかった。フィジカルと個人戦術を鍛えている都倉が台頭しない限り、出場機会を失う窮地は訪れそうにない。
 これでは、涼しい沖縄。せっかくお越しになった観光客の気分も曇るというものだ。
 「そこそこ良い選手」に甘んじるか、「危険な存在」となるか。J1復帰2年目のシーズンで、後者の道を歩み始めなければならない。
 
 Text by H.Nishikawa.(Tuesday, 31 January, 2006, 11:10)

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