05-06 Players tracks 「3.佐原秀樹」
万人からは決して評価されない選手である。
同性の一部は抜群のルックスを嫌い、フェアプレイを尊重する者は荒いチャージを批判し、フットボールファンは安定感の無いパフォーマンスを見てハラハラする。05シーズンでは28ゲームに出場しながら、971分間のプレイタイムしか記録することが出来なかった。
ただし、関塚監督は佐原を貴重な戦力とみなし、彼の投入を「逃げ切りのメソッド」開始の合図とした。つまり、ディフェンディングゾーンを襲うチャレンジを弾くために、寺田をアンカーへ配し、ボックス付近に高層ビル群を建てることで、第4のセンターバックの持ち味である強さをゲームプランに組み込んでいった。
そして、2年目の谷口は90分間でのスタミナに不安があり、前半戦はチーム自体が逃げ切る術や自信を備えてはいなかった。佐原は不動の3名のいずれかが欠場した際のスペアを務めながら、途中出場で全力を尽くしてプランを遂行し、チームに貢献する1年間を過ごした。
桐光学園高校在学時にはキャプテンを務め、10番を背負った中村俊輔と共に冬の選手権準優勝を飾った。川崎入団後にグレミオへ留学し、怪我を乗り越え、キャリアのピークを迎えようとしている。
ところが、オフシーズンに東京Vを構想外となった米山が入団することになった。引き続き、ディフェンスにおけるパワープレイ要員として期待されたとしても、元日本代表センターバックが新たに加入したことで、レギュラー奪取の可能性はより低くなった。
可能性を高めるためには、大宮にいたクリスティアンや柏にいたレイナウドに嘲笑されるように抜かれた対人動作を改善し、ゲーム中やゲーム毎の波を小さくしなければならない。プレシーズンでアジリティを高め、巧さを身に付けることが出来れば、「激しいファイター」として進化し、等々力の信頼を得られるだろう。
佐原にとっての2006年は、まさに勝負の年となるに違いない。
Text by H.Nishikawa.(Thursday, 12 January, 2006, 6:30)
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