« J1第34節 川崎 v G大阪 「採点」 Grading | Main | 構想外選手の活用(12/5付) »

躍進で生まれた浮誇

 8位。15勝5分14敗。54ゴール、ゴールディファレンス7。
 川崎は昇格1年目のシーズンを好成績で終えた。舞台が西ヨーロッパのとあるトップディヴィジョンであれば、メディアはこぞって昇格チームの躍進を取り上げ、大勢で麻生や等々力に詰めかけたはずだ。
 フットボールファンには周知の通り、日本のプロ野球のように、上から順位を見るだけの図式は誤まりとなる。
 J1残留を早期に内定させ、定着のためのプロセスを積み重ねていく。18チーム中、最低レベルの資金しか持たない川崎は、1年目のシーズンを見事に成功させた。
 
 「来シーズンは3位、そして優勝へ」
 かの無知な人物は、先週末のホームラストマッチ後に開催されたセレモニーにおいて、そのように挨拶した。今年、5位との目標を達成出来なかったにも関わらず。
 資金力もない。トレーニング施設にナイターの設備もない。ホームスタジアムでの圧倒的多数の声援もない。それでいて、ランニングトラックがファンの視線を阻む。このようなチームが優勝を争うのであれば、J1は低次元な戦いを売り物にすることになる。
 混戦の原因となったG大阪は、しかし、トレーニング施設の充実に取り組み、4年目を迎えた西野監督に重要な新戦力を与え、フレッシュなチャンピオンチームらしく苦しみ、ようやく覇権を掴み取った。
 優勝のポイントがたった60であることは、Jリーグのレベルの低下を表している。それでも、川崎がそこへ加わる光景を期待することは出来ない。
 
 一方、難しいとされる昇格2年目において、降格危機に襲われる危険性もあまり含んでいない。
 強さを持つディフェンス、関塚監督が重要視するビルドアップ、速いチャレンジが持ち味のアタック。全日程の4分の3を消化する頃に、37ポイントに到達出来る力は十分に備わっている。
 ただし、今シーズンのレギュラープレイヤー数名がベンチに座り、新戦力がポジションを奪い取らなければ、8位以上でのフィニッシュは困難な挑戦となる。
 例えば、現在のように我那覇がゴールから離れれば、取って代わるだけの能力を持つレギュラー候補がスターターに選ばれる。ベテラン選手に疲労が溜まれば、ローテーションに組み込んだ選手が穴を埋める。ビッグタイトルを賭けた戦いを残してチームを離れるクラッキが存在するのであれば、彼が去った後の新たなクラッキを披露する。つまり、維持や微増で終われば、強化を施した他チームにあっさり追い抜かれる。
 現時点で、来シーズンの目指すべき順位を掲げることは無理な話だ。指針の下に動いたオフシーズンの成否によって、上位進出の可能性が大きく揺らぐからだ。
 いずれにせよ、来シーズンもJ1残留が最低限の目標である。
 
 Text by H.Nishikawa.(Monday, 5 December, 2005, 11:50)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/33575/7474676

Listed below are links to weblogs that reference 躍進で生まれた浮誇:

Comments

こんばんは。
 
To FFさん
G大阪にホームで2-4と叩かれた直後ですから、あまりゲームを観ないでのコメントだったと思います。観てたら「優勝」なんて言えませんからね。まさに夢の中にいたのだと思います。
FFさんがおっしゃる通り、フットボールファンなら現実を見ることが出来るわけです。無理して目標を上げて、達成出来なかった時の追及の芽を増やすことは愚かですよ。来シーズン4位以下となれば、2年連続で目標が達成出来ないことになりますから、恥となってしまいますね。潔く責任をとって頂き、辞めてもらいましょう。

To 匿名
西ヨーロッパのフットボールでは当然ですし、甲府も当初は「J2中位定着」。磐田を率いることになったオフトさんは「まずは中位」でした。川崎市が20億、30億とプレゼントしてくれるなら納得しますけど、今の川崎を見て3位以上になることが出来るという識者は、きっといないはずですよ。
かなわない夢など、ただの妄想です。難しい昇格2年目で「残留」と聞いて鼓舞にならないのは、多くの日本人たちのフットボールへの認識が甘いから。
口に出来ないのであれば、関塚監督のように「今季の経験を来季に」として努力を宣言すれば良いだけの話です。

「フットボールの是非」は、出来る限りフットボールの本質に近付く姿勢をとっていますので、かの無知な人物の3位宣言そのものが「大失言」との立場を取り続けます。

Posted by: H.Nishikawa | 2005.12.06 at 21:05

「かの無知な人物」氏の立場を考えてほしい。あの立場にいる人間が、全選手全スタッフのいる前で、かりそめにも「来年は残留を目標に・・・」などと言ったら、それこそサッカー界から追放されかねない大失言となる。一国一城の主とは、兵を鼓舞しなくてはならない存在でもあるのだ。

Posted by: | 2005.12.06 at 04:31

「来シーズンは3位、そして優勝へ」は、おそらく私たちサポーターやファンに夢を持たせるための発言ではないでしょうか?私としては残留が目標と思ってはいますが、クラブには常に上を目指す姿勢は持ってほしいと思ってますし。もちろん、実際にはまずは残留、そして今季と同じくらいの成績をとることが先決ですが。

Posted by: FF | 2005.12.05 at 15:09

Post a comment

Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.