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Blue Players 黒津勝 「勝負する時」

 新たなサプライズを
 
 黒津勝。1982年8月20日に生まれた23歳のレフティー。01シーズンの入団から5年が経ち、今はチーム内二番手の位置を掴んでいる。
 ジュニーニョが右ハムストリング損傷を負った対神戸戦でJ1デビューを果たし、ファーストゴールを記録。それは、J2デビューとなった対大宮戦において、交替直後のファーストタッチで左足ミドルシュートによる決勝点を記録した思い出を蘇らせた。
 それまでサテライトの一員に過ぎなかった彼への注目度は、俄然高まった。
 
 「黒津勝」という選手は、スペースを掴み取った際に、大きな仕事をやってみせる選手だ。
 その象徴は、対横浜M戦のゴールシーン。アウグストによるクロスに呼吸をシンクロさせ、一気に前方へ加速し、バックラインの背後でヘッドを合わせ、ゴールを決めてみせた。
 自らのスピードを武器に、オンサイドポジションからオフサイドラインの裏へ飛び出して行くセンスは、特筆すべきものだ。
 さらに、今シーズンの黒津は、プレイの幅を広げつつある。
 関塚監督が重視するダイアゴナルラン(斜めに走る)を忠実にこなすことで、掴んだレギュラーの座を守っている。
 8月20日の対大分戦では、ダイアゴナルランから長橋のフィードを受け、冷静に周囲の状況を把握し、マルクスへのアシストを記録。6月11日のナビスコカップ・グループリーグ第6戦以降、ゴールに見放されているものの、「二番手の証明」を等々力に示したシーンだった。
 後期においても黒津は、自身が表紙を飾った対清水戦のMDP(マッチデイプログラム)のインタビューで示唆された形を体現し続けるだろう。
 「ここ最近は前線でクサビになって攻撃の起点になるプレイも多いですよね?」
 「状況によって自分のプレイも柔軟に変えていかなければならない」
 
 昨シーズンまでの彼に与えられた代名詞は、「スピードスター」や「スーパーサブ」だった。その裏を返せば、スペースが無ければ使い物にならない「槍」に過ぎない。
 今シーズンの黒津は、そうした「槍」一本の他にも様々な武器を手にし、川崎での地位を築いていった。
 かの代名詞は、もう過去のもの。我那覇と対等にポジションを争うストライカーとなった。
 それだけに、8月24日の神奈川ダービーでは、もどかしいワンシーンが刻まれている。
 結局はマルクスの先制ゴールとなるシーンにおいて、黒津は果敢に中西を抜きにかかり、あと一歩のところでスライディングタックルを許し、マイボールを失った。
 今後、「川崎の二番手」がゴールを量産し、飛躍するためのヒントだった。
 9月以降の戦いでは、彼が「勝負」する時、その進化が問われることになる。
 
 Text by H.Nishikawa.(Friday, 2 September, 2005, 8:30)

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