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Blue Players 谷口博之 「川崎の核へ」

 「攻撃に関しては全然ダメだった」(4月9日対東京V戦後)
 
 「バイタルエリアの番人」として、期待の逸材はJ1デビューを飾った。
 3月26日のナビスコカップ・グループリーグ第2戦対G大阪戦で1分間の途中出場を記録し、翌週の万博遠征でベンチ入り。関塚監督は3バックの前方に壁を築くために、東京Vとの多摩川ダービーで当時19歳の谷口を抜擢した。
 結果は1-0の完封勝利。谷口は足がつった80分まで必死にプレイし、指揮官を満足させた。
 それからは、順調にプレイタイムを重ねていく。
 4日後の神戸遠征で初ゴールを決めると、レギュラーに定着。「攻撃の中村、守備の谷口」のコンビは、等々力のファンの心をがっちり掴むことになる。
 また、セットプレイの際には、選手間のギャップやスペースに入る感覚に冴えを見せ、3ゴールを記録。8月20日の対大分戦では、「水を飲んでいたら、たまたまボールがきた」と言ってファンを笑わせたが、7月17日の対C大阪戦では、試合後に「後ろで視野に入らないようにしていた」と明かし、そのセンスを示した。
 流れの中でのオーバーラップにも意欲を見せ始め、急成長を遂げている。
 
 ジュニアユースから横浜に身を置いてきた谷口は、横浜のトップチームを目指してボールを蹴り続け、川崎フロンターレでプロのキャリアをスタートさせた。
 ルーキーイヤーの昨シーズンは、本来のミッドフィールドではなく、センターバックとしてJ2で11ゲームに出場し、今シーズンへのステップを踏んでいる。
 「チームの核」として見られたいと公言している谷口は、まだまだ満足することはない。試合後のコメントで、課題に攻撃を挙げることが多いのは、そのためだろう。
 理想とするロイ・キーンのような展開力、あるいはパトリック・ビエイラのような馬力は、まだ備わっていない。ミドルゾーンからアタッキングゾーンに飛び出していく力強さは、日本人選手全体が探し求める新境地であり、インターナショナルレベルで必要とされる武器である。
 ただし、中村とのコンビでは、ディフェンスに比重を置かなければならない。マルクス、中村、谷口によるラインこそ、攻守におけるバランスの要であるからだ。数少ないタイミングを逃さずに効果的に上がり切ることは、非常に困難な挑戦となる。
 先日の対広島戦では、ビハインドを追いかけるためのベンチワークによって、62分でベンチへ下げられた。どのような状況でも頼られる存在となるには、課題を克服しなければならないようだ。
 ペキンオリンピックを狙える若手の有望株は、まだ未完成品。等々力での楽しみのひとつに、ひたむきにボールを追う「努力家・谷口」が、潜在能力を開花させていく様子を観察することがある。
 等々力のファンが驚くような発見を目の当たりにする日は、きっと近いはずだ。
 
 Text by H.Nishikawa.(Thursday, 1 September, 2005, 8:10)

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